食物栄養科 9回 松山 美樹 |海外に出てみて

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はじめに、このような機会をいただき感謝申しあげます。また、在学中お世話になりました諸先生方に、この場を借りて御礼申しあげます。

私は卒業後、千葉県にある保育園に就職しました。園児数150名、職員40名程の園で毎日約200名分の給食とおやつを作っていました。子どもたちは可愛くて毎日癒されていましたが、働いている中で気になったのが、年々アレルギー児が増えていくことでした。多いときには、園児の15%位に何かしらの食物アレルギーがありました。「どうしてアレルギーの子が増えているのだろう」と疑問に思い自分なりに勉強をしました。仕事の後に勉強会へ足を運んでいるうちに、現代の日本はコンビニなどが増え便利になる一方で、食品添加物や農薬の使用量が多い国という現実を知りました。「農薬や添加物の少ない暮らしをしている国はどんな食生活をしているのだろうか?」と気になりました。そこで思いきって4年間勤めた保育園を退職し、海外へ出ることにしました。私が選んだ国はイタリアでした。なぜ、イタリアにしたかというと、美食のイメージがあるイタリアですが、使用が認められている添加物や農薬が少なく、オーガニック先進国だと知ったからです。

私はイタリアの方と住みはじめました。彼らはお腹が空いたら自分でご飯を作ります。昼間通っていた語学学校では、ヨーロッパの人が多いのですが、大部分の生徒の持ってくる飲み物はほとんどが水でした。日本では炭酸飲料などを飲んでいる若者が多いと感じるので、ここでは若者が水を選び飲んでいることに驚きました。この地域にはコンビニはなく、ジャンクフードも駅前にはありますが、日本程多くありません。お店も夕方になれば閉まります。24時間手軽に安く食べ物は手に入りません。

私が働いたレストランでは、毎朝採れたての野菜、近くで獲れた魚が届きます。野菜は無農薬なので、一つひとつ形や大きさはバラバラ、根菜類には泥が入り込んでいて、葉物には虫がついています。それを一つひとつ洗っていくので、下処理には何時間もかかりました。山へ狩りに行き、捕ってきたイノシシを捌いていただいたりもしました。日本で生活していたときには感じることの少なかった、命をいただいて私たちは生きているのだなと実感する日々でした。

日本の野菜は形が揃っていてキレイで虫もついていないし、便利な食品もたくさんあります。それにくらべ自然なものは、調理するのにも手間も時間もかかりますが、なにより体が喜ぶということを実感しました。また外国に出たことで、日本食の繊細さ、日本の食の素晴らしさ、マナー、御作法にも気づくことができました。日本人であり、子どもに食育をする立場なのに、日本について知らないことが多く恥ずかしく思いました。

帰国後、日本のマナーや御作法を勉強したくて、赤坂の料亭で3年間働きました。イタリアにはなかった日本のきめ細やかさや、昔から大切にされてきたことをたくさん学びました。

  食べることは生きること 

  生きることは食べること

まだまだ勉強することは多くありますが、自分の経験してきたことを生かして未来のある子どもたちに、大事なことを伝えていける人になりたいと思っています。