現役プロデューサー小松玲奈さんによるアパレルブランドの作り方

大滝 秀一講師

服飾芸術科 大滝です。

本日は、1年前期ブランドプロデュース論授業の最終日となりました。

4月中旬からスタートした授業ですが、学生達はわずか3ヶ月強にて自分のオリジナルファッションブランドを考える課題“マイブランドのコンセプトワーク”を先週提出できました。

何も知らないところからスタートした学生も多かったのでここまでの道のりは大変だったと思います。

学生一人一人のコンセプトワークを確認してみたら、わずか3ヶ月しか学んでいないのに本当にこれだけのレベルのことを実現できたんだ!と授業担当の私も大感激です。

 

そして今回は、私の後輩でもあり現役ファッションブランドプロデューサーであり、女性であり母である小松玲奈氏に特別講師として登場して頂きました。

残念ながら、コロナ感染が広がってきているためZOOMにてオンライン授業となりました。

学生たちに会えると思い楽しみにしていた小松氏も少々寂しげな様子でしたが、小松氏のプロフィールを簡単に紹介すると、ダズリンなどのブランド立ち上げに携わり、その後PALグループにて自分のブランドDaTuRaを立ち上げ、結婚・出産を期に個人ブランドBELINDA、Felan Maisonと2つのブランドをプロデュース及び運営している社会で活躍している女性です。

 


 
講演の内容としては、まず画像を見ながらプロフィール及び手がけたファッションブランドの紹介。そしてブランドプロデューサーとしての具体的な仕事内容を話して頂きました。

その中でも“仕事で楽しかったこと” “大変だったこと” 仕事のやり甲斐は?などから始まり、どんな能力やスキルが必要か? 自分が成し得た要因は? 学生のうちから鍛えておいた方がいいことは?などには学生たちも釘付けになっていたようでした。

昔からブランドプロデューサーとして働いていたかと思ったら、実ははじめは違う仕事に就いて、違うと思ったら仕事をやめたりし、最終的に自分の本当にしたいことを仕事にしてきたこと。

また実際にギャルのブランドをプロデュースし、店内のpopを全てギャル語にしたり、服に「エロシャツ」という覚えやすい印象的な名前を付けたりして、工夫をすると売れやすくなるということ。

ブランディングはイメージだから、カメラマンやモデルがとても重要になってくること、

学校などでブランドプロデューサーの仕事の知識を習ったわけではないのに、それでも今ブランドプロデューサーとして働いているのは、自分が出来ることは自分でやり自分が出来ないところは出来る人に頼んだりして、補ってもらい上手くカバーしているということ。

 

 

そして本日のメインイベントとして、200名弱の受講学生の“マイブランドコンセプトワーク”を小松氏に全て見てもらいました。

その中で7名の特別優秀な学生にブランドプロデューサー賞が贈られました。

受賞した学生たちは大感激です!!

 

選ばれた学生からのコメントを紹介いたします。

「ブランドプロデュースの授業で、小松さんに番号を呼んでいただき、自信満々で出した自分のブランドだったのでとても嬉しかったし、絶対呼ばれるとも思っていたので実際に呼ばれてみてこれが自分の自信になったと実感しました。
前からではありますがブランドプロデュースをしたいと思いますし自分のブランドを立ち上げたいともすごく思いました!」

この授業及び小松氏からの賞で進路も変わったようで、もしかしたら彼女の人生も変わるかもしれません。

 

さらに授業に参加した学生たちからコメントも紹介したいと思います。

「小松先生の話で一番心に残ったことは、自分で企業に連絡していく勇気がすごいと思いました。行動力があり積極的な人が成功するのだと思いました。 追求心を持ったことが全ての面で繋がったという話を聞いて興味があったことは追求していこうと思いました。 失敗がなかったのは諦めなかったことと日々の情報収集をしていたと言っていてかっこいいと思いました。私も小松先生のようにひたむきに努力できる人になりたいです。」

「ダズリンを立ち上げた時にすごく売れたし楽しかったけど、この環境にいたら成長できないと思い転職したというお話です。 楽しくて売上もあってっていう状況に自分がいたらその状況に満足してしまって終わってしまいそうだから小松さんのこの判断の仕方?考え方がすごいなと感じました。こういう向上心?がある方がやはり最高される方なんだなと思いました。自分もこのようになりたいです。」

「今では当たり前になっている双子コーデのルーツを知ることが出来て楽しかったです。また、「すべての仕事は現場から」という話が心に残りました。お客様の反応や生の声を実際に聞けるのは販売の仕事のみなので、ブランドを立ち上げる際には必ず経験したほうが良いと感じました。」

「街で見て、どこのブランドかわかるようなもの、〇〇っぽさを大切にブランディングしていることが心に残りました。何を強みにするか、差別化をすることで、他と差をつけていくことができるとおっしゃっていて、なるほどな、とおもいました。どんな花を使うか、などを事細かにデザイナーに伝えられるように、柄や色、サイズなども詳しく決めているからこそ、成功に繋がっている、と思いました。」

「dazzlinを抜けた理由が楽しいけど、成長が出来ないと感じたからということや色んなブランドを点々としていることから、自分の好きや成長を妥協せずに追求しているのだなと感じ、その姿勢がとてもかっこよく心に残りました。 また、なんの仕事をやるにも、販売員だった頃の経験が生かされるということも感じました。」

「自分の人生は自分で決めると言う思いから起業したと言うお話を聞いて、本当にかっこいいなと思いました。わたしも自分の人生を後悔しないような選択をしていきたいと思いました。」

「学生のうちは経験を積むことと今回のコンセプトワークの講評で多様なブランドに埋もれないようにしてさまざまな視点を持つというのが印象的でした。ブランドを作る時には差別化できるものを考える。街で見かけた時に「あ、あの服○○の服だ」と分
かるような特徴を作るなどこだわりを突き通すことはブランドプロデュースにおいてブランドの強みになるんだなと思いました。」

「ターゲット層をわざと狭めに限定して、ニーズや需要を明確にし、他のブランドと差別化したブランド作りが大切だと感じました。幅広くターゲットを取ってしまうと、逆に売れないという話を聞いて、ターゲットを限定する話に納得しました。」

「わたしは元々人前で話すことだったり積極的に何かをすることが苦手なので小松さんの色々なお話を聞いてみて、自信を持ってチャレンジしてみようと思いました。さまざまな情報を頭に入れておくことで、データ化されるので、日常的に他の人の会話に耳を傾
けたり、街の中の人を見たり、小さなことが大切ということを学びました。目標達成のための、気の強さ、自信、知識などが成功に繋がるということがわかりました。だから、何事にも自信をもって行動するべきなのだなと思いました。」

 

最後に学生から小松先生へのコメントです。

「素敵なご講演ありがとうございました。 私も将来アパレル業界を目指していて、具体的な頑張り方がわからなかったので、今回の講演でどういう風に経験を積んでいけばいいのかが分かりました。 普段買い物をしていて感じ取れない裏側の部分まで知れて参考になりました。」

「お忙しい中、貴重なお時間をありがとうございました。小松先生の話を聞いて、今よりもっと様々な経験を積んでいきたいと思いました。絶対に自分が一生懸命頑張ったことは、必ず未来の自分に返ってくるし、どこかにかならず繋がってくるということを学んだので、苦労しても、一生懸命に多くのことを頑張っていきたいと思いました。私は、何をやるにも自分に自信がもてず、自分なんか、と考えてしまうタイプです。しかし、小松さんは仕事に対して、気を強く、自信を持って取り組んでいたので、今のように成功することができていることを学んだので、もっと自分に自信をもちたいと強く思いました。そして、自分にできないところは、他の人に頼るということも大切だということも学びました。今後、社会にでるにあたって、大切なことを沢山吸収することができました。」

「この授業の初めから最後の授業で講演がある事を聞いていたのでとても楽しみにしていましたが直接お会いすることが出来なくて残念でした。ですがその中でもこうしてお話を聞くことが出来てとてもよかったです。ありがとうございました。
自分のブランドを作る課題で上手に出来ていた生徒に選ばれてとても嬉しかったです。自分のイメージが伝わっているかよく考えながら作ったものなので呼ばれた時とても嬉しかったです。

「とても為になるファッション業界、今までの人生についてお話いただきありがとうございました。女性でブランドを立ち上げたため、女性だからという偏見や差別などに対してもプラスに捉えて考え、緊張せず自分に自信を持てている姿を見習いたいと思えました。諦めずにやりたいことをやり、実現する為に努力し続けることの大切さを感じました。これからの人生についても考えられ良かったです。」

 

学生達の講演に対する真剣さがものすごく伝わりますね。

私自身も今後ブランドをプロデュースできる人材の育成が人生のテーマになっています。

後期に続くブランドプロデュース演習でその実現に向けて熱くサポートしていきたいと思います。

 

大滝 秀一

大滝 秀一講師

服飾芸術科

ファッション業界ではブランドプロデュース・クリエイティブディレクション及び会社経営をしておりました。その経験をファッション業界を目指す方々へ伝えていきたいと思います。夢の実現に向けて頑張りましょう。 主な担当科目 >>> ブランドプロデュース論 / ブランドプロデュース演習 / ファッションデザイン論 / ファッションビジネス論 / ファッションコミュニケーション論 / ビジネスキャリア論 / ファッションビジネス(企画)ゼミ