オリジナルコスメ開発プロジェクト
戸板女子短期大学では、株式会社サティス製薬様のご協力のもと、学生が主体となって化粧品開発に挑戦する「オリジナルコスメ開発プロジェクト」を実施しました。本プロジェクトは、スキンケア化粧品の企画立案から商品化、さらにプロモーションまでを一貫して体験できる、実践型の教育プログラムです。
化粧品は、誰に、どのような価値を届けるのかという明確なコンセプト設計、成分や処方の検討、容器・パッケージデザイン、そして市場に届けるためのプロモーションまで、多くの工程を経て完成します。本プロジェクトでは、こうした化粧品ビジネスの全体像を学生自身が体感し、理解することを目的に企画されました。
意欲ある学生が挑戦、選考制プロジェクトとして始動
「スキンケアアイテムの企画・デザイン・処方・プロモーションに主体的にチャレンジしたい学生」を対象に募集を行い、希望者は企画書を提出。応募者多数のため、書類選考および面談を実施し、意欲と熱意を備えたメンバーが選抜されました。

3月の初回授業では、プロジェクトの目的や年間スケジュール、授業目標を共有。
「化粧品が出来上がるまでのプロセスを理解し、市場に出回る商品や化粧品ビジネスを俯瞰できるようになる」ことを目標に、いよいよ本格的な開発がスタートしました。
ペルソナ設定から始まるリアルな商品企画

3〜4月は企画検討期間。授業内ではアイデアの共有や意見交換を重ね、具体的なペルソナ設定を行いました。
設定したのは、美容にあまり関心がなく手間を嫌う20歳の男子大学生と、美意識は高いものの忙しい生活を送る25歳の女性会社員。生活環境や価値観、肌悩みまで細かく想定し、「どんな肌トラブルを、どのように解決する商品が必要か」を深掘りしました。
その結果、敏感系ニキビに悩む20代男女をターゲットとした、化粧水と美容液が一つになったオールインワンジェルの開発が決定。忙しい日常の中でも手軽に使え、肌にやさしく、しっかりとした保湿感を得られるスキンケアを目指しました。
企業と共に進める、本格的な商品開発
4月には、協力企業であるサティス製薬様の研究所を訪問。学生たちが考えた企画内容をもとに、研究員の方々と打ち合わせを行い、成分や処方、使用感について専門的なアドバイスをいただきました。


ブランド名は「Puret」、商品名は「HADA SOFT WATER SERUM」。
「肌トラブル、なかったことに。自信あふれる、クリアな素肌」というキャッチコピーのもと、男女問わず使いやすい無香料設計としました。
デザイン・マーケティングまで学生主体で
4月下旬からはパッケージデザインの検討を開始。デザイン担当を中心に、他社製品のリサーチを行いながら、色やフォント、ボトル形状を検討。フロスト調のボトルやシルバーのポンプなど、ブランドイメージに合ったデザインを追求しました。


7月には、化粧品業界で活躍する卒業生を講師に迎え、マーケティングやプロモーションについての特別講義を実施。自分たちの企画をプレゼンし、実際に販売することを想定した戦略や改善点についてアドバイスを受けました。
形になる感動、そして発表へ
10月には、実際に製造が行われるサティス製薬様の工場を見学。自分たちが企画してきた商品が、製造ラインで形になっていく様子を目の当たりにし、ものづくりの責任と喜びを実感しました。



同月には、完成品が無事に納品され、最終発表の場となるTOITAフェスでの展示方法についても話し合いを重ねました。

そして11月、ついに完成品を発表。企画から完成までの過程やこだわり、苦労した点、完成した喜びを来場者に伝え、大きな反響を得ました。

3月から約9か月間にわたって進めてきたオリジナルコスメ開発プロジェクト。学生のアイデアと想いが詰まった、戸板ならではのコスメが完成しました。
教室の中だけでは決して得られない、企業と連携したリアルな学びの場を実現できた本プロジェクト。ご協力いただいたサティス製薬様に、心より感謝申し上げます。


■TOITA PBL(戸板プロジェクト演習)とは
戸板女子短期大学の「TOITAプロジェクト演習」は、年間30を超える企業と連携し、学生がリアルなビジネス課題に挑む実践型の教育プログラムです。かっぱ寿司とのスイーツ開発や、日東紅茶の新パッケージ提案、空き物件を活用したテイクアウトスイーツ店舗の立ち上げなど、学生たちは企業の現場で「考え、提案し、実行する」体験を積み重ねています。
授業は専任教員に加え、現役ビジネスパーソンも講師として参画。Z世代ならではの感性やSNS世代の発信力が、企業にとっても新たな価値創出の源となっています。学生は単なる“学習者”ではなく、“共創者”として企業と社会に関わる実践の場がここにはあります。
この取り組みは、教育とビジネスの境界を越え、地域や社会を巻き込みながら、未来を切り拓くモデルケースです。企業にとっても若者の生の声に耳を傾け、新たなブランド戦略や商品開発の起点を見出す貴重な機会となっています。

■お問い合わせ先
戸板女子短期大学 広報部
Mail:info@toita.ac.jp
Tel:03-3451-8383
公式サイト:https://www.toita.ac.jp/



