【食物栄養科】食育演習 日本料理様式&味覚体験「牡丹」

川嶋 比野 教授

戸板女子短期大学 食物栄養科1年生には「食育演習」という選択科目があります。
将来、食育を担っていく食の専門家として、自らが様々な経験をし教養を深めるための演習です。

 

今回は、日本料理の様式や作法を学ぶため、学校の近くにある東京・芝浦 牡丹さんに行って参りました。

 

ドレスコードもある老舗店ですので、学生は慣れない正装をし、緊張ぎみに学校を出発しました。徒歩10分ほどでお店に到着し、女将にご挨拶を受け、貸切りのお部屋に通されました。皆の緊張はピークに達していました。

 

いよいよ料理も供され、「いただきます」の挨拶で会食スタートです。

 

9月でしたので、長月のお献立です。当て字になっている漢字を読みながら、何のお料理か想像するのも日本会席の楽しみです。

 

 

お造りが供される頃、中山料理長がお講義に来てくださいました。

「ピンと張りつめたような緊張感の中で食事をしたら、どんな高級なお料理も美味しくないので、作法も大切だが、場の和んだ空気というのはもっと大切です」と言ってくださり、学生からやっと笑顔が見られました。また、この日の献立の旬の食材である銀杏や鮎に関する貴重なお話しをしてくださいました。
 

 

 

 

 

 

 

牡丹さんのお料理は器にもこだわりがあり、おいしそうに見せるための演出や気配りがあらゆる場面で感じられます。

また接客も大変行き届いていて、とても優雅に楽しいひとときを過ごせるお店です。

学生も、本物の接客を肌で感じ、自分のアルバイト等での接客と比べてどうであるか、参考になったと思います。

 

食事の終盤になると、緊張はどこへやら、和気あいあいと食事を楽しむ学生の姿が見られました。普段なかなか経験できない本物の日本料理を学べて、本当に良かったと話をしていました。

 

食育演習では授業ごとに各自でかわら版の作成を行い、それをレポートとしています。今回のかわら版では、料理の絵を上手に描き、それぞれの料理の感想を記したレポートやお箸の持ち方やマナー等をイラスト付きでまとめたレポートが多く、とても素晴らしい出来上がりでした。

 

授業では日本料理のみですが、ぜひ学生自ら、中華料理や西洋料理の本物の様式を体験しに行って欲しいと思います。

 

 

食物栄養科講師 川嶋比野

 

 

本件に関するお問い合わせ先
戸板女子短期大学 入試・広報部 澁谷まで
TEL 03-3451-8383

川嶋 比野 教授

食物栄養科
学科長

実践女子大学を卒業し、管理栄養士を取得。大学院では、里芋の粘り成分の構造や抗酸化作用について研究し、2001年に修士の学位を取得。食品総合商社で非常勤の管理栄養士として務め、レストラン等へのメニュー提案業務や惣菜商品開発を経験。その経験を活かし、専門学校や短大、4年制大学でフードコーディネート系・調理系の授業を担当する専任講師や非常勤講師となる。 2009年からは、食器の色と絵柄と美味しさの関係の研究を始め、学会へ研究発表を続け、2019年にそれらの研究結果をまとめ、実践女子大学大学院にて博士(食物栄養学)の学位を取得。2012年より戸板女子短期大学で調理・フードコーディネート系の科目担当の専任教員を始め、現在に至る。