【戸板栄養士会】中国伝統医学「薬膳」について part3

戸板栄養士会

こんにちは、戸板栄養士会です。

今回は、昨年のpart1、part2に続き、中国伝統医学「薬膳」part3 を
生活科12回生の山口丕些子新会長より、執筆いただきましたので、ご紹介させていただきます。

昨年から、薬膳の知識を取り入れた食生活のポイントを、春・夏・秋・冬と、季節ごと
にお知らせしてきました(薬膳part1・part2)

今回、part3では、薬膳の考え方の基本となっている事柄ついてまとめてみました。
興味のある方は、薬膳part1薬膳part2を合わせて、ご覧頂ければと思います。

2000年以上前に中国で書かれた「黄帝内経 こうていだいけい」という、漢方の教えが
書かれた本には、季節の自然の法則に従った飲食や、個人の体質・体調に合わせた食材、
季節に合わせた日常の養生で、免疫力を上げる事が、健康で長生きの秘訣、とあります。
それには基本となる事柄がありますが、あまり難しく考えずに、薬膳の知識を取り入れて
みましょう。

 

~薬膳の基本となるもの~

1  陰陽五行説

自然界の物質は全て陰と陽に分けられ、身体も陰と陽の両側面が絶えずバランスをとる努力をしています。また、人間の
存在に欠かすことの出来ない物資として「木・火・土・金・水」があり、これを五行と呼んで、自然界、人体、栄養に大
きく関係し、お互いのバランスが取れた状態を健康と言います。

 

2  四診と薬膳

薬膳の料理を作る時は、初めに「弁証」と言ってその人の体質・体調病歴など、中医学的
に診断した上で、「証」に合った物を作る事が基本となります。「中医学の診断方法」は
望診―舌や心の状態を診る。 聞診―体の状態を聞く。問診―症状を聞く。 切診―脈をとる。などがあります。

  四気と五味

食べ物には栄養成分と薬性の両方の性質があります。
*食性(四気)―食べ物の働きを分類したもので四気と言います。体を温める物、冷やす物、どちらにも入らない平性の
物に分けられます。
*食味(五味)―味は各々の体の部位に作用してその働きを補います酸味(酸っぱい)肝。 苦味(苦い)
心。 甘味(甘い)脾。辛味(辛い)肺。 鹹味(かんみ、塩辛い)腎。

 

4  一物全体・身土不二

動物や植物はもともと一つの命、その命に無駄なところはありません。一つの物(一物)
を全て(全体)食べること。そして、その土地で育った物を食べること、自然の法則に従った食べ方が薬膳の基本となります。

 

⒌  気・血・津液

人体を構成し生命活動を維持しているもの。
気のエネルギ・血の栄養・津液の体の働きの潤滑油はバランスを取りながら生産と消耗を繰り返しています。

 

山口丕些子

 

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来月の更新もお楽しみに🍚!

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