戸板女子短期大学には活躍できる場所がたくさん用意してあります。

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小林千春 名誉教授

戸板女子短期大学を、今年2022年3月に退任される小林千春学長。戸板女子短期大学の太陽のような存在で、学生を優しく、そして温かく見守り続け、2016年から 2期6年間、学長を務めて頂きました。その小林学長から、戸板女子短期大学に着任されてからの長年の思いや未来ある学生への贈る言葉としてメッセージを頂きました。

どの学生も入学時と比べ驚くほど成長し、大人になるということに、驚きます。

私は、アメリカのカリフォルニアで大学院を修了し、帰国して母校で講師をしておりました時に、ご縁があり戸板女子短期大学の専任教員として着任いたしました。当時は、アメリカで出産した子供もまだ幼く、教員と子育てとの両立ができるか不安でしたが、振り返ってみると、あっという間に子供は成長し、何とか子育てと仕事の両立ができました。

その時感じたこととしましては、戸板女子短期大学は、120年という長い伝統を持つ学校、その歴史と文化に関してしっかりと学ばなければと思っておりました。私自身は、中学・高校・大学とカトリックの教育をうけておりましたので、創立者の戸板関子先生が、ご主人である牧師様と結婚し関東大震災で家を失った方のために、衣類や炊き出しなどの奉仕活動を率先して行ったことに深く感銘し尊敬しておりました。

また短期大学ということもあり、学生の皆様が2年で学びと就職を両立し卒業しなければならないということで、学生も教員も相当に忙しく大変だろうと想像しておりました。実際に学生と接してみると、入学してから1年経つと就活も始まるせいか、社会にでる自覚が生まれ、どの学生も入学時と比べ驚くほど成長し、大人になるということに、驚いたことを覚えております。

教員として学生と向き合った授業が一番心に残っています。

戸板女子短期大学の講義の中では、教員として学生と向き合った授業が一番心に残っております。

大きく分けて、2つあります。

一つは、英語教育の中での「オーラルコミュニケーション力」の育成です。

アメリカ留学時代に感じたことは、日本からの留学生は英語を読むことと書くことはできましたが、話すことと聞くことには苦手でした。これは、中学・高校・大学での日本の英語教育の結果だと思います。
他の国の留学生、特にアラブ諸国やインド、中国などのアジア諸国、メキシコなどの中南米諸国からの留学生は、とにかくよく手を挙げ、自分から発言するなど積極的な姿勢が見られました。デイスカッションの時などは、黙っていると存在そのものを忘れられてしまうので、手を挙げ自分の意見を言おうと必死でした。
この留学時代の経験から、日本で英語教育に携わることになったとき、とにかくリスニングとスピーキングの力をつけてもらう必要があるということを感じておりました。

二つ目は「自己肯定力の育成」です。

戸板女子短期大学で教壇に立つようになって数年後、自分に自信がもてていない学生がとても多いことに気づきました。

とても素晴らしい素質を持ちながら、学生自身が気づいていないことにびっくりしました。これは初等中等教育、家庭教育にも深く根差していることかと思いますが、日本人全体に多く見られる傾向かもしれません。

「今まで褒められたことがない。私は自慢できるものが何もない」などという学生の声を多く聞き、私自身も、日本の学校で余り褒められたことがなく、アメリカの大学の教育の中で初めて褒めてもらうことで、モチベーションが上がり、このことが私の教員としての生き方の原点となりました。

英語教員として、授業の中に「プレゼンテーション」を導入し、そこで他の学生や担当教員から褒めてもらう機会を作り「自己肯定力の育成」を育成することを試みました。結果、学生たちは他の学生のプレゼンテーションを聴き評価しながら、お互いを認め合い、良いところをほめるということで、自分に自信をつけていくことができました。
今では、このプレゼンテーション力は戸板女子短期大学の全学的な学びとして展開し、学びの特色にもなっています。

国際コミュニケーション学科時代の学科長としての10年間は、学生の卒業後の進路を見据えた履修モデルの設置とカリキュラム構築を手がけ、この制度が熟成するように推進致しました。中でもエアライン業界への就職率の高さは、世間でも周知されるようになりました。ここ2年間コロナ禍でエアライン企業が採用中止となっていますが、2023年には各社が採用を活動を開始し、今後大いに期待ができると思います。

学長としての6年間は、本学創立115年を記念して、戸板関子先生の建学の精神、校訓「知好楽」などを現在の学生にもわかりやすい言葉に置き換えた「TOITA’s 7 Promises」を策定いたしました。入学式や戸板ゼミナール、学長講演などの機会を利用し、私自身のことばで大切にしたい理念、行動規範を身につけてもらえるよう学生たちに伝えております。

TOITA’s 7 Promisesは、大学内のエントランスなどの目につくところに透明なケースにいれて掲示しております。学内ですれちがう学生たちは皆、きちんと挨拶ができ「TOITA’s 7Promises」の中の一つ「communication」が浸透されていると嬉しく思います。

ESS、英語漬けの授業、短期留学、インターンシップ、この経験がなければ、今の私はない

私は、高校時代はESSに所属し、その中で英語演劇を主にやっておりました。女子校で、背が高いほうだったせいか、いただくのは王子役のような男役ばかりで、可愛らしいお姫様役は回ってきませんでした(笑)。

英語に関しては、高校2年の夏休みに恩師の勧めでBritish Council という機関で4週間月曜から金曜日まで3時間毎日、イギリス人の先生による全て英語の授業を受けました。国内留学のような英語漬けの毎日でした。厳しい授業でしたが、周りは大学生あるいは高校の英語の先生ばかりで非常に刺激を受けました。大学時代はレベル別で周りがほぼ帰国子女で、しかも英語の授業は全て英語で行われましたので、この高校時代の経験がなければ、今の私はないと思います。

大学3年の夏休みにイギリスに短期留学したことも、楽しい思い出です。今思えば、教授20人に学生10人という非常に贅沢な留学でしたが、初めての異文化体験で見るもの全てが新鮮で、その後私がイギリス小説に興味を持った原点になりました。

そのほか、大学時代は、中・高校生の家庭教師、国際会議の受付や司会、大企業での今でいうインターンシップのようなアルバイトなど経験を積みたいという思いと持ち前の好奇心の強さから、依頼されたものは、できる限り引き受けました。この経験も後の私の人生に役立っていると思います。

自動車免許も保守的で厳格な父に反対されたのですが、隠れて取得しました。仮免許の時に自宅付近の路上で母に見つかってしまいましたが、アメリカ時代は運転せずには生活できませんでしたし、あの時隠れて取得してよかったと思っています。今でもハンドルを握ることは大好きです。

戸板女子短期大学の学生時代に生涯の友を作っていただきたい

「人生に無駄はない」とよく言われます。

その時はあまり気が進まなくても、体力や時間がある限り色々なことに挑戦し視野を広げてほしいと思います。

そして、学生時代に友達を作ってください。

私も中高時代と大学時代の友人たちとは、現在も大切な友達として繋がっております。
旧友となかなか会えない時期があっても、再会した時に時の隔たりを超え、昔のその時代に戻ったように話ができ、安心感があります。学生の皆さんも是非、学生時代に生涯の友を作っていただきたいと思います。

私事になりますが、本年3月をもって人生の四半世紀以上を過ごした、戸板女子短期大学を卒業致します。

戸板女子短期大学で出会った、学生の皆さんや教職員の皆さんからたくさんの良い刺激をいただき感謝しています。このご縁に感謝しつつ、今後はまた教員としての原点に立ち返り、私にできることを精一杯やっていきたいと思います。

そして、今まで忙しくてあまり出来なかったこと、例えば、大切な家族や友人との時間や趣味の時間も増やしていければと考えています。

戸板女子短期大学は、学生と教員の距離が近く、親身な指導が受けられる稀有な大学だと思います。まっすぐで素直な学生が醸し出す明るい雰囲気は、どの大学にもない独特の輝きがあり魅力ある短期大学です。在学生の皆さんは、このような場で学ぶことができることに感謝しつつ、貪欲に積極的に勉学や正課外活動にとり組んでいただきたいと思います。

高校生の皆さん、戸板女子短期大学には、皆さんが活躍できる場所がたくさん用意してあります。

やる気と積極性があれば2年後には見違えるように成長できます。是非一度オープンキャンパスに足を運んで先輩や先生方のお話を聞いてみてください。

小林千春 名誉教授

国際コミュニケーション学科

英語コミュニケーション力とICTスキルはグローバル社会に生きるための大事なツールとなります。世界には様々な文化と価値観が存在していることも大切です。楽しみながら一緒に学んでいきましょう。 主な担当科目 >>> Business Conversation:Airline・Airport / 国際マナー