2007年度9月号 八王子実習農園だより vol.2
食物栄養かわらばんでは、2007年8月号・9月号・10月号で「八王子農園だより」と題して、食物栄養科の八王子農園での活動をお伝えします。8月号では、授業「フードスタイリストゼミナール」の課題の一つである『野菜を使ったスイーツ作り』の活動の様子を、また来月号である10月号では、同じ授業の別 の課題『ハーブの栽培とその利用』の活動の様子をご覧いただきます。そして、今月号では八王子農園での活動と、なぜそのようなことをするのかをお話したいと思います。
現在は、芝公園のそばの港区芝にある(住所は「芝」ですが、過去の歴史の関係で「三田キャンパス」と呼んでいます)食物栄養科ですが、2004年3月までは八王子にキャンパスがありました。八王子時代は、キャンパス内に『土』がしっかりとあるため、様々な草花や動物を見ることができ、梅の実やみょうがを収穫することができました。当然のことではありますが、都心にある三田キャンパスではそのようなことを体験するのは非常に難しいです。しかも、土に触れない (触れたことのない)学生さんは少なくありません。
「食物」というのは「生物(せいぶつ)」です。つまり、ヒトという生物は他の「生物」を「食物」として、摂取しなければ生きて行くことができません。キャベツもトマトもれっきとした「生物」です。農作物と呼ばれる「生物」がどのように生きているのかを感じ、ペットを飼うのと同様にどのように世話をする(= 栽培する)のか、また、栽培がいかに大変かを感じ取ってほしいと考えています。そのために、八王子農園で様々な野菜やハーブを栽培したり、自分の手で摘み 取った野菜をすぐにその場で調理をしたり、食物や(食物を含む)生物との関わりを学生が体験しています。さらに、やきいもをしたり、流しそうめんや バーベキューをしたり、アウトドアでの「食」も行っています。戸板の「食育」の一つの形です。
【 食品機能学研究室 小築 康弘 】