卒業生の皆様へ  小林千春 学長メッセージ

小林千春 名誉教授

 

卒業生の皆さん

 

本日はご卒業誠におめでとうございます。

 

服飾芸術科182名、食物栄養科155名、国際コミュニケーション学科127名が、晴れて短期大学士の学位を取得されました。本学教職員を代表し心からお祝い申し上げます。

本年度は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、式典は各学科単位での学位授与式となりました。2年前の入学式のように戸板ホールで、来賓の皆様、保護者の皆様とご一緒に卒業の晴れがましい門出をお祝いできないことは、非常に残念でございます。

 

今年度を振り返ると、私たちの日常生活は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、様々な制約をうけました。症状が出ない時期に感染するというこのウイルスの特異性、感染力の強さ、重症化から死に至るリスク等、私たちは、この未知のウイルスに対する不安、恐怖と日々闘ってきました。2度にわたり政府の緊急事態宣言が発出され、私たちの行動も大きく制約され、夏休みやお正月の帰省など、家族と会うことさえあきらめなければならないこともあったかと思います。学生の皆さんは、成人式、送別会、卒業旅行、卒業パーティーなど楽しみにしていたイベントなどもあきらめることとなりさぞ無念な思いでいっぱいでしょう。

本学の授業も、前学期はオンラインで、後期は、オンラインと対面授業のハイブリッド型で行い、皆さんはしっかりと学びを継続しました。スクリーン越しに一生懸命授業に参加してくださっている皆さんの姿が、今でも思い目に焼きついています。通信状況が芳しくなく、せっかくのプレゼンテーションが途切れてしまったり、声が消えてしまったりしながら、懸命に頑張っていた皆さんを私はいつも応援していました。

 

さて、この辛いコロナ禍生活であなたが得たものはどのようなものだったでしょうか。

当たり前の日常に感謝する気持ち、苦しんでいる人へのいたわりの気持ち、そして家族や友人の大切さを身をもって感じたことでしょう。やがて、この感染症が終息し、学生時代の最後の年のことを懐かしんで話す日がやってくるでしょう。
しかし、また、ウイルスは変異し、新種のウイルスが出現し、その闘いとともに私たちは生き続けることになるでしょう。一年間あなたがたが経験したこのウイルスとの闘いの日々の中で、ウイズコロナ、ポストコロナの時代を生きぬくための知見をすでに習得したのです。

将来ある皆さんにとって、学生として知識を蓄えることは何よりの財産です。ICT教育による先進の技術、そして、何かができない時、どのような代替案を考えるか、思考における柔軟性、独創性、このような力がきっと備わったと思います。オンライン上でも、対面状況と同じようにスムースなコミュニケーションを行う力も培ったことと思います。あふれる情報の中で、何が必要なものか、またどれが正しいのかをご自身が見極めながら選択し、優先順位を決める、このようなことを自然と考えていたのではないでしょうか。

創立者、戸板関子先生は、明治35年に女性の自立を唱え、先進的な教育を目指し本学の母体を設立しました。財産に頼るでもなく、仙台から単身上京し、この芝公園の地を選び、自力で自分の信念を貫いたのです。この偉業を明治の時代に成し遂げることは並大抵の努力ではできないでしょう。様々な障害や苦労を乗り越えてご自分の信念を貫いた女性でした。

 

あなた方が活躍する令和の時代は、予想不可能かもしれませんが、女性にとって無数の可能性が秘められている時代でしょう。リモート勤務が定着したのを一例にあげても、仕事はオフィスで行うものといった概念は、このコロナ禍で大きく変わりました。あなたたちは、自由に活躍できる舞台がたくさん発見できると思います。自分の信念を大切に、常に前を向き、しなやかに明るく生き抜いていただきたいと思います。

戸板女子短期大学で過ごした、この2年間のすべての経験があなたがたの財産です。英語で「卒業」のことを commencement といいます。これは始まりという意味を持つ単語です。

本日をもってあなたがたは戸板女子短期大学を卒業しますが、卒業は決して終わりではありません、新しい人生の始まりなのです。それぞれの新しい世界へ大きく羽ばたいてください。皆さんの今後のご活躍、ご健康、そしてご多幸を心よりお祈りし、私の式辞とさせていただきます。

 

Everything you can imagine is real.

想像できることは全て、実在する

 ― Pablo Picasso ―

 

令和3年3月13日
戸板女子短期大学
学長 小林 千春

 

 

小林千春 名誉教授

国際コミュニケーション学科

英語コミュニケーション力とICTスキルはグローバル社会に生きるための大事なツールとなります。世界には様々な文化と価値観が存在していることも大切です。楽しみながら一緒に学んでいきましょう。 主な担当科目 >>> Business Conversation:Airline・Airport / 国際マナー