「商品開発は面白い!」戸板の学生の可能性を引き出すために奮闘

入試広報部 澁谷さん

戸板女子短期大学 食物栄養科のゲスト講師、起業・リアルビジネスとして、外食、中食の商品開発授業を担当する中村和由ゲスト講師。

「商品開発は答えがなく、あるとすればコンセプトとターゲットを理解して作られたもの」とこれまでいすみ市との弁当開発など戸板女子短期大学で様々な企業との商品開発コラボを学生に指導してきました。中村先生がどのような経歴で、また思いで授業をしているのかを語っていただきました。(文責・澁谷)

戸板女子短期大学は”ベンチャー企業のような大学”

以前、私はコンビニエンスストアチェーンampmの商品開発をし、ブランドマネジャーをしていたのですが、キッカケは久しぶりに、ampm一のキレキレの元同僚で栄養士として有名な二宮真樹さんへ連絡をとった所、元ampmの人が戸板女子短期大学にいるよ!と連絡をもらったので是非会いたいと即答、そこで待ち受けたいたのが澁谷さんと金井さんでした。

何気なく、そしていきなりではありますが、私がメキシコで商品開発をしていたソルアステカのトルティーヤチップスを売り出し、マーケティングをしていたので一緒にしようということで産学連携をしたのがはじまりです。

最初は女子大が華々しく、そして尊いイメージがあり、ずっと緊張していたのを覚えていますが、2019年からは学生をゆっくりと見守ることができるようになり、今では学生の可能性とポテンシャルを感じることができます。

戸板女子短期大学は見えないところで仕掛けをつくり、関係者が日々新しいことに挑戦している」”ベンチャー企業のような大学”であり、日進月歩で学生のことを考えて新しいサービスを提供している革新的な大学だと思います。

産学連携=リアルビジネスで実践的スキルを身につける


戸板女子短期大学では、産学連携を通じた商品開発を中心に、ヒト・モノ・カネ・情報の流れを学ぶことを教えています。

産学連携で、戸板女子短期大学の学生たちは、企業課題を解決するために自由発想で商品を開発し、その過程でビジネスの楽しさを体験します。その成果は、2023年スーパーマーケットトレードショーのお弁当お惣菜大賞に入選するなど、高い評価を得ています。
また、今年から起業支援にも力を入れており、企業様の協賛金で授業を実践しています。財務要素も含めたリアルなビジネス体験を通じて、コミュニケーション力やチームワークを身につけます。授業では、報連相、リスケ対応、会計、PDCAサイクル、演繹法・帰納法、行動経済学など、様々な要素を学ぶことができます。
大手企業からのサポートもあり、学生たちはこの”リアルビジネス体験”を通じて、実践的なスキルを身につけています。

私の授業だけではなく、戸板女子短期大学は革新的な大学であり、日々新しいサービスを提供することで、学生たちの可能性を引き出しています。

人生はアドベンチャー 起業から教育への転機の20年間

私は中村家の次男として生まれたのですが、昭和生まれなので何事も長男が優遇される時代です。なので小中高校では割りと自由に好き勝手をしておりました。但し、大学での就職活動から制限をされるようになったのですが、その理由は親戚も含めた家業の問題でした。

私は空の仕事がしてみたいなぁとずっと思っていたのですが、当時、家業で冷凍食品卸をしていたのでその関係で大手量販に勤めることとなりました。
その時、覚悟を決めたひとことが、私を一番可愛がってくれた冷凍食品の先駆け株式会社ナックスを創業した叔父・中村博一の言葉です。

「仕事は、形は違えど全て一緒」

私は量販で頑張っていたのですが、30歳をこえたときから次のステップに進みたいと考え、コンビニエンスストアの商品開発を目指し、転職活動を開始。なんと運良く3ヶ月で決まり、ampmに転職、そこからスキルアップをはかっていきました。その後、仕事の無理もたたり身体を壊して、くも膜下出血で開頭手術を経て、リハビリのため、田舎スローライフで農商工連携をしておりました。

そのとき、父親から電話がちょくちょくあり、家業の冷凍食品事業を手伝ってくれないかの連絡がありました。

帰って数字を見たときかなり厳しい数字、するもしないも地獄かなと感じていましたが、そのとき長男が事業承継しており、一瞬で長男を助けたいのかなと理解しました。
父親は別にして母親を悲しませることはできないと思い、会社経営を受け継いだのですが、正直「苦しい」の言葉しかでない10年でした。その10年になる手前で父親、母親を亡くし、コロナ禍が始まりました。

少し続けることも可能でしたが、会社の留保金が減り、最悪の状態になってからでは遅いと判断、断腸の思いで5億の負債を抱えたまま事業を終えることに決めました。血の滲むような思いと自責の念で潰されそうなこと、ご迷惑をかける企業様に申し訳ないこと、いろんな思いの渦巻く中、少しでも多く債権を返さなければいけない一心でした。

今は無事に私的整理を終わらせることができ、戸板女子短期大学で、商品開発や事業経営、起業の楽しさ、苦しさ、私が社会で経験してきた20年間の全てを少しでも多くの学生に伝えたいと思います。

人生、山あり谷あり。
その中で得るものは沢山あり、
今までの経験を活かすことができます。

私の人生アドベンチャー!
まだまだ、書けていないことが山程あるので聞きたい人は、ぜひ戸板女子短期大学でお話したいと思います。

私の生きがいは、学生の可能性を引き出すために奮闘すること

現在、私は事業として就労継続支援や児童支援をしています。そこでは様々な社会状況で生活している人たちや子供たちがいます。

自分の意志ではどうしようもないことが数多く存在し、それを一緒に解決する道を探しながら、ともに笑って過ごせるようにすることが、今の私の生きがい。

戸板女子短期大学の学生とも、彼女たちの悩みを聞き、私の人生経験を話し、卒業時に笑顔で巣立ち、なにかあれば気軽に一報をもらえる、そんな関係構築を目指しています。

単に授業をすることは簡単かもしれません。

ただ、私が考える授業は一方通行ではなく、学生の目がキラキラし、もっと聞きたいと思ってもらえるものであり、その延長線上にある勉強や仕事は辛いものではなく、「仕事を生活の一部で楽しむ」捉え方のできるような成長型マインドセットを感じてもらえるようにしています。

人生は捉え方次第で輝くものであり、まさに世の中の出来事は

寄れば悲劇、引けば喜劇

自分の人生を俯瞰的に見つめ、どんなときも、感情ではなく理性でハンドリングできれば更に人生の可能性が広がると思っています。

戸板女子短期大学で、その一翼を担うことが私の生きがいであり、楽しみです。

みなさんももっともっと一緒に可能性を広げていきませんか? 授業でお話ししましょう。

プロフィール

 
中村和由 ゲスト講師
量販店バイヤーやコンビニ商品開発、ブランドマネジャーを経て、水産加工会社と食品卸の代表者取締役を経験。コロナにより廃業し、コンサルタントをするかたわら、大学にて産学連携や商品開発の授業を実施。就労継続支援B型事業所、児童支援事業代表理事。
 

記事に対するお問い合わせ

戸板女子短期大学 入試・広報部 まで
TEL 03-3451-8383

入試広報部 澁谷さん

職員
入試・広報部

戸板女子短期大学 入試・広報部として、企画、デザイン、WEB、マーケティングを担当。Youtuber。 戸板女子短期大学のニュースや記事、田町や三田周辺の情報を得るために、いつもアンテナを張り巡らして集めています。